絵と現代俳句 加藤知子(俳句)佐藤厚子(植物画)『日常と非日常 又はその被膜』

加藤知子は一九五五年熊本県菊池市七城町生まれ、熊本市在住。「海程」(金子兜太主宰)を経て、現在「俳句短歌誌We」共同編集発行人、現代俳句協会評議員。句集に『アダムとイブの羽音』ほか。
佐藤厚子は一九七〇年菊池市生まれ、同市在住。創形美術学校研究科修了、日本ブックデザイン賞特別賞受賞。現在はatelier clipとして植物画制作・教室講師・デザインを手がける。

 同郷の画家と俳人が、菊池の地で結んだ静かな協働(二人展)の記録である。

 枯蓮の実を描いた表紙が示すとおり、植物画といっても愛らしい写生にとどまらない。花のさかりではなく、枯れ、傾ぎ、種を抱えたままの姿にこそ目を向ける絵と、日常の言葉の内側から非日常が透けてくる俳句とが、一枚の壁面で向かい合う。両者を隔てつつ透かし合う薄い「被膜」――それがこの展示の主題であり、本冊子はその現場を紙の上に写しとったものだ。

 巻末の加藤による後記「二人展を終えて」には、句に触れて込み上げるものをこらえていた最初の来場者のこと、初対面の来場者と俳句をめぐる話が弾んだことが記される。句集や結社誌での発表とは異なる、「見せる俳句」という初めての試みが、作者自身に俳句の力をあらためて実感させたことが伝わってくる。

記:川森基次

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