高野 礼子

たかの れいこ    千葉
  • 共著『現代俳句を語る』(遊牧俳句会)
  • 合同句集『俳句の宙』精選アンソロジー(本阿弥書店)
石鹸玉思い出のまだ片付かぬ
冴え返る押花めきし母といる
遅き日の母と二人のはかりごと
ふと開く沈丁花とか好意とか
花辛夷まぶしく揺れてゆれて老ゆ
切手からはみ出しそうな梅雨じめり
掌にのせるかたちの空気山法師
黄昏を栖まわせている合歓の花
どこか病む短夜の灯の淡(うす)くあり
天の川のさざ波を聴く耳がほし
淋しさに打ちかさなって見る蛍
偏愛のひとつに昼の流れ星
秋茱萸のあれはともし火迷子の火
音耳や梯梧の赤を思うとき
後書きのようだね烏瓜ぶらり

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