大池 美木

おおいけ みき    静岡
  • 句集『きっと瑠璃色』(ふらんす堂)
  • 共著『現代俳句を語る』(遊牧俳句会)
白き狼桜前線北上す
バイオリンケースに子猫星が降る
時報かな春の一日の半分
三月の孤独汽船の影となり
メランコリックそのほか容れて春の森
港からずっと坂道パリー祭
露草のうしろに六さいのわたし
雪ノ下一丁目一番地涼し
考える蛇なり今日も自堕落に
朝の夢ユダなる人の汗を嗅ぐ
おおかみのとなりにすわる木下闇
さっきから蜥蜴を口説く人がいて
わたし蛍のようにはいかなくてよ
鹿鳴けりまるで一筋の香り
よく磨く白雪姫の冬林檎
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