相澤 泰子

あいざわ やすこ    茨城
ぎしぎしと軋む地球に梅一輪
ふらここでブラックホール見に行けり
どの部屋にいても八月十五日
黒揚羽よもつひらさかその真昼
誰にでも付いていきます草虱
夕暮れの一歩てまえの猫じゃらし
落ちてゆく夕日の重さにも秋思
種袋振って地球をやさしくす
鳥帰る手紙の上に電子辞書
駒返る草やわらかき午後の罠
一行の詩のどこから散らす凌霄花
花野には玩具のような駅がある
ふらここを漕いで十五のわれに会う
蜘蛛の囲のここより先は秘密基地
梨重し水の地球ふと思う
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