いとう さち 熊本
昭和31年 | 熊本県生まれ |
平成17年 | 「熊本海程」入会後「海程」入会 |
平成27年 | 「遊牧」入会 |
平成28年 | 「海程新人賞」受賞 |
令和4年 | 「遊牧賞」受賞 |
現在、「遊牧」「海原」同人。現代俳句協会会員。 |
- 共著『現代俳句を語る』(遊牧俳句会)
あらまあ世界中がたんぽぽです
船底は朧の褥ヨウソロー
蔓手毬記憶の向こうはいつも雨
飴かむ派なめる派糸とんぼ飛んだ
下駄履いてとろとろの夏買いに行く
三オクターブ歩いてきたね白芙蓉
指切って血を舐め尽くす新涼や
神様はとなりの木槿にいるらしい
興梠の屍しゃりしゃりと猫が食った
右乳の疼き三日月愛でしより
母の私記読むようひそと秋雨は
あくびして嬰はオリオン飲み込んだ
忘るとう美学もありて火を渡る