小門 則子

こかど のりこ    千葉
  • 合同句集『俳句の宙・小門則子篇』(本阿弥書店)
富士かすむ茅舎句集と薄荷飴
花ゆすら江戸寛政の子授け碑
陽炎は江戸の煙管の吹くけむり
おぼろ夜の緋鹿子一反解き放つ
陽紫花や死にゆくときの色とりどり
水無月の銀座に歩幅合わせけり
香水部屋無数の香水わらい出す
天寿とは夏野にホルン吹くように
黑南風や幇間がゆく厩橋
キバナコスモス竹下通りの少女たち
手児奈堂まで悲恋ひれんと秋の蝶
朝顔や横綱が叱られている
着ぶくれを脱ぎ捨て卒寿の江戸小紋
赤い靴否落ち椿利休の忌
極月や雲の味する菓子を食べ
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