たなか しゅうぞう 神奈川
- 共著『現代俳句を語る』(遊牧俳句会)
熟柿落つ哀しいまでにまだ甘し
濁酒回し飲みして遠野暮る
バリトンの厚き胸板芋名月
短夜やずんずん潜るエスカレーター
点滴のずしんずしんと明易
行く春や人生百年マッチ棒
山笑う宇宙はいくつあるのだろう
音もなく和平は来るか春隣
人生はまるで影絵だ冬の宿
三崎より鮪引提げ漁労長
林立す竜の尻尾や枯すすき
ノンちゃんの乘損なったいわし雲
ひっそりと名乗り上げたる吾亦紅
秋夕焼今日の夕刊まだ来ない
人もまた冬眠すれば永らえし
熟柿落つ哀しいまでにまだ甘し
濁酒回し飲みして遠野暮る
バリトンの厚き胸板芋名月
短夜やずんずん潜るエスカレーター
点滴のずしんずしんと明易
行く春や人生百年マッチ棒
山笑う宇宙はいくつあるのだろう
音もなく和平は来るか春隣
人生はまるで影絵だ冬の宿
三崎より鮪引提げ漁労長
林立す竜の尻尾や枯すすき
ノンちゃんの乘損なったいわし雲
ひっそりと名乗り上げたる吾亦紅
秋夕焼今日の夕刊まだ来ない
人もまた冬眠すれば永らえし