工藤 俊雄

くどう としお    東京
完市忌アンモナイトの朱一条
吾が姿なりぢかには見れず冬銀河
修二会の炎奔りて化現せり
命終のいろはにほへといぬふぐり
あめつちや芥子粒ほどの虫に翅
かまきりの亡骸津軽方言集
尺取虫妙に明るい日だな病む
草いきれ老いて何かの亜種となる
ねぶた跳人臓腑に青き火花散る
𫝚るは奇跡の軌跡𫝚るよ
ルピナスは太宰の知見宙へ虚へ
みな逝きて少し肥りし青みみず
昔日に触れては幽し遠花火
寒夕焼あと四、五段と思ひけり
「崇高なる死を」ラグビーの「ハカ」
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