片山 蓉

かたやま よう    埼玉
東京生まれ。
2011年俳句に出会い俳句の楽しさを知る。
2014年中部日本俳句作家会入会。
2015年同人誌「韻」に参加。
2017年中部日本俳句作家会賞受賞。
2018年句集『羊水の。』ふらんす堂刊。
2020年埼玉県現代俳句大賞準賞受賞。
2023年より「遊牧」に参加。
現代俳句協会会員
  • 句集『羊水の。』(ふらんす堂)
天球をこぼれてゐたりてんとう虫
蝉の穴こんなところに螺子回し
ゆくがいい虹を画鋲で止めてから
遠雷や指輪するりと指を抜け
いなつるび枕にくぼみありにけり
箱庭の鍵がどこにも見つからぬ
おぼえある羊水おぼえなき銀河
屋根裏に籐椅子いまも揺れやまず
節穴からしか見えぬ階段修司の忌
カーテンのふくらんでゆく蝉時間
海とほからむ霧ふかからむ父佇てり
海鳴りが聞こえるところまで芒
わたししか見えぬ冬満月に檻
母といふ手のない手袋をしまふ
冬銀河柩の窓があいてゐる
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